JAHIC 日本高速情報センター

日本情報サービス協同組合

未来情報局23622号「運転とストレス」

「運転とストレス 」

 6月の和名は「水無月」。梅雨の季節なのに「水が無い月」なの?と思ったことはありませんか。諸説ありますが、「無」は「ない」のではなく、連体助詞の「の」を表しているという説が有力です。つまり「水の月」。水無月の語源となっている旧暦6月は田植えの際に田へ水を引く時期にあたります。新暦に置き換えると6月末から8月初旬なのでちょうど梅雨の時期と重なります。

もうひとつ、水無月で思い浮かぶのは夏越祭り。夏越祭りの代表的な行事は「茅(ち)の輪くぐり」です。神社の参道などに設けられている大人の背丈ほどの大きな茅の輪をくぐることで穢れを払い、無病息災や家内安全を願うのです。

6月は1年の折り返し地点です。これからの高温多湿の季節を前に少しずつ夏バテの症状が出始める方がいらっしゃるかもしれません。そんな時、季節を感じながら心と体を癒してみてはいかがでしょうか。


「運転とストレス」

コロナ禍を経て社会経済活動の正常化が進みつつあります。今まで様々な行動を控えていた社会全体がストレス過多な状態になっていると言えるかもしれません。

そのような中、私たちは安全運転のためにストレスとどう向き合えばいいのでしょうか。

■ストレスは必要?

自動車を安全に運転する際、危険を事前に察知したり、自らの誤操作を防いだりする必要があります。ここで重要ポイントがストレスです。適度なストレスは必要なのですが、過度になるとヒヤリ・ハット※1 を起こしやすくなる、つまり事故の危険性が高まるのです。 

ストレスの原因とヒヤリ・ハットの関係をまとめると次のことが言えます。 

1. ストレス状態は運転行動に影響を与える。ストレスが高いとヒヤリ・ハットや事故が起こりやすくなる。 

2. ストレスが高い状態での事故は、他の車両への側面衝突が多い。 

3. ストレスが高い状態での事故は判断ミスを原因としている場合が多い。 

4. ストレスが高い状態で事故を起こした人は、事故後に運転への拒否感や恐怖心を抱くケースが多い。 

※1 ヒヤリ・ハット:重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見 

■安全運転は運転前から始まっている。

安全運転のためには日頃から健康管理に注意しなければなりません。 

運転中の眠気は、ほとんどのドライバーが経験していると思います。実は、高速道路を時速80kmで走行している場合、わずか3秒間居眠りするだけで約70mも進んでしまうのです。 

普段から睡眠不足が続くと居眠り運転をしやすい傾向がみられます。厚生労働省の調査では、普段の睡眠時間が5時間未満の人は、5時間以上睡眠をとっている人と比較すると「居眠り運転」が3倍以上も多く、事故の一歩手前の「ヒヤリ・ハット体験」も2.5倍になることが報告されています。 

■運転で体が変化する?

運転することが、私たちの健康に影響を及ぼすことがあります。運転席へ座りハンドルを握るときに血圧が上昇することをご存知ですか?

主な原因は緊張からのストレスです。高血圧の方はもちろんですが、血圧が正常の方でも運転時には高血圧状態になりやすいのです。高速道路での運転や無理な追い越しなどの運転は、血圧上昇の原因になりやすいので特に注意が必要です。

ある調査では、運転を始めてから100分程度までは、走行している自らの環境に適応するために脈拍などの心身機能が高まりやすいこともわかっています。

また、運転中は神経が過敏になり、穏やかな性格の人でも怒りやすい精神状態になってしまいます。他の車の割り込みや追い越しに対して、すぐに感情的になるドライバーは少なくありません。このような怒りも血圧を急上昇させる原因の一つです。

血圧が高めの方や緊張しやすい方などは、次のことに注意する必要があります。

1. 日頃から血圧管理をしておく。

2. 運転中はこまめに休憩をとり、体を動かすなどしてストレス解消をする。

3. 自分に過度のストレスをかける危険運転をせず、譲る気持ちでゆとり運転をする。

■運転後にも注意を

実は、運転中だけではなく運転後に心臓発作を起こす人が多いことがわかっています。その原因もストレスです。特に日頃から仕事や人間関係で慢性的ストレスがたまった状態にあると、運転がきっかけとなり、運転後の心臓発作などのリスクが高まると推測されているのです。

こうしたことから、運転前にはストレスや疲れをためないように心がけることが大切です。自動車の性能が向上しても、私たち「人」は変わらないことを忘れてはいけません。

1. 運転後1時間程度は注意する。

2. 運転前にはストレスや疲れをためない。

なに?なぜ?素朴な疑問

質問 「自動軸重計を活用した指導取締とは?」

教えてください。ゴールデンウィーク中に高速道路を走っていた時、自分勝手なドライバーを見かけました。 

教えてください。自動軸重計を活用した指導取締が始まったと聞きました。実際に高速道路でそのような状況を見かけます。具体的にどのようなものなのか教えてください。 

回答 

その通りです。ドライバーは気軽な気持ちかもしれませんが、実は法令違反行為ということがあります。 

●まわりの車両はスムーズに走行しているのに1台だけノロノロ運転⇒「最低速度違反」 

やむを得ない場合(減速や危険防止)を除いて、道路標識等で指定された最低速度、または法定最低速度の50キロ以下で走行すると違反になります。 

高速道路では前方の車両との距離が実際より近く感じることがあります。車両を停止するまでの距離も一般道と比較して長くなります。自分

自動軸重計は、高速道路上で自動的に車両の軸重を計測する装置です。この装置は、その設置箇所を通行する車両のうち特殊車両の総重量・軸重等を自動計測するとともに、車両のナンバー等の車両情報を取得し、計測結果をセンター装置に送信するものです。 

車両制限令において、この自動軸重計を活用した指導取締が令和5年4月1日から開始されました。重量を違法に超過した大型車両の通行が橋梁等の道路構造物への疲労蓄積が懸念されるほか、違反車両による事故は死亡事故等重大事故に結びつきやすいため、社会経済活動に大きな影響を与えています。 

この自動軸重計を用いた指導取締りは、従来の高速道路等の料金所等での指導取締りとあわせて実施されます。 

対象路線は、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社が管理する高速道路となります。 

全国には882基の自動軸重計が設置されており、違反を繰り返す事業者に対しては、警告及び是正指導を行います。警告及び是正指導を繰り返し受けたうえで更に違反走行をした事業者に対して、是正指導内容等の公表、特殊車両通行許可の取消し、告発等を行います。 

当組合においては、車両制限令累積点数によっては現在ご利用中でもETCコーポレートカードをご返却いただく場合があります。また、累積点数が消滅していない場合は他組合でもコーポレートカードでの受け入れを拒否されます。そのため「車両制限令」を理解し順守することが必要です。 

組合員の皆様におかれましては、法令遵守の意識の徹底と安全運行に努めていただきますようお願いいたします。 

右記画像:高速道路本線の軸重計(出典:日本高速道路保有・債務返済機構)

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