1年の各月の和名の由来を調べてみると、いにしえの人々の生活がいかに自然に寄り添っていたかがわかります。ですが、12月だけはちょっと違います。師走。師匠が東西を走り回る月なので「師が馳せる」月が由来とされています。今も昔も12月は忙しかったんだなと興味深いのですが、ただ忙しいという状況が月名になったのは興ざめでもあります。なので、他の名前も調べてみました。
限月(かぎりのつき、かぎりづき)・・・年の境目、節目の月
暮歳(ぼさい)・・・年の暮れという意味。響きがいいですね。
梅初月(うめはつづき)・・・初春を待ち望む気持ちが込められています。
春待月(はるまちづき)・・・春を心待ちにする月
名前は、その人の心に大きく存在するものが反映されます。たとえば、日本は島国ですので魚の名前が多い。出世魚のように成長段階で名前が変わることがあります。砂漠の国は状況に応じてラクダの名前が変わると聞いたことがあります。それなら、来年は私たちの心を反映させて各月の名前を自分で作ってみてはいかがでしょうか。恋人やパートナーと出会った月は「最愛月」とか。
■年末だからこそ落ち着いて
年末はどうしても気持ちが焦ってしまいます。そのため前方が渋滞しているのに気持ちが前へ前へ行こうとしてしまう。そこで今回は落ち着いた運転に大切なこと「車間距離」についてお伝えいたします。
車間距離を見直す動き
車間距離の目安は100km/hなら100mの間隔が必要といわれます。実はこれを見直す動きがあります。世界では「距離」ではなく「時間」で間隔を測る考え方が広がっているのです。
高速道路と自動車交通に関する調査研究を行う団体「高速道路調査会」がまとめた報告書によると、「100km/h走行時に100mの車間距離を空けると割り込みにより逆に危険度が増し、混雑時は車間距離が短くなりなお一層危険な状況になる」とのこと。
また、交通集中の中、状況に合わない車間距離を取れば、交通規則全般に対する信頼や法令遵守意識を損なうことにもなりかねないと指摘しています。
そこでこの報告書では、車間距離ではなく「車間時間」で適正な間隔を測る方法が推奨されています。前を走行する車両が標識など道路上の目印を通過した時点から、自分の車両がその目印を通過するまでの時間を測るのです。
推奨される車間時間は次の通りです。混雑時は約2秒、混雑していない場合は2秒以上、減速に時間がかかる大型車などは3秒以上が目安です。ただし2.5秒以上になると、割り込みされやすくなるそうです。
高齢者や初心者、あるいはABS(アンチロックブレーキシステム)が装備されていない車両は、反応時間が遅れるため注意が必要です。
車間時間2秒の「数え方」 あれこれ
報告書によると、車間距離を時間で測る方法は世界中にあり、特に欧米では一般的になっているそうです。必要とされる車間距離は国によって異なりますが、欧州道路管理者会議では次の内容に結論付けられました。「車間時間2秒」または「速度(km/h)の半分の数字の車間距離(m)」が適正なルール。つまり、車間距離は「100km/hならば50mで問題ない」ことになります。
車間時間2秒の「数え方」は国によって様々です。たとえばポルトガルでは語呂合わせによる方法が考案されています。「um crocodilo, dois crocodilos(ワニが1匹、ワニが2匹)」。
日本でも同様の方法が各地の警察で考案されています。埼玉県警は「0、1、0、2(ゼロ、イチ、ゼロ、ニ)」。「1、2(イチ、ニ)」だけでは2秒よりも短いため、あえて「0(ゼロ)」を2回加えるのだそうです。福島県警いわき東警察署では「3・2・1・ヨシ」と唱えて2秒を把握する方法を啓発しています。高速道路調査会は、童謡『あめふり』冒頭のフレーズ「あめあめふれふれ」の部分を唱えると、2秒を数えることができるとしています。
理想と現実
「100km/hなら約100mの車間距離が必要」という目安は、昭和40年代に東名高速が開通した際に当時の日本道路公団が作成したパンフレットで説明され、1978(昭和53)年、国家公安委員会が作成した「交通の方法に関する教則」に取り入れられて広まりました。高速道路調査会はこのことについて「昭和40年代と比べると自動車の性能が向上し安全性が確保されたため、交通量が著しく増加した現代では理想と現実にギャップが生じている」と指摘しています。