特集「年末年始は落ち着いて 」
年末は何かと慌ただしく、気持ちが焦りがちです。その結果、前方の渋滞に気づいても、気持ちがつい前へ前へと向かい、注意が散漫になることがあります。こうした状況では、冷静さを保ち安全運転を心がけることが大切です。今回はその中でも重要な「車間距離」を中心に、注意すべき点を見直してみましょう。
車間距離を「時間」で考える
従来、車間距離は「100km/hなら100m」といった距離で考えられてきましたが、近年では「時間」で測る方法が注目されています。高速道路調査会によると、混雑時に100mの車間距離を取ると割り込みが発生し、逆に危険が増すことがあるとのこと。また、状況に合わない車間距離を強いると交通ルール全体への信頼を損ねる恐れがあると指摘されています。
そこで、前の車が標識や目印を通過した時点から自分の車が通過するまでの時間を測る「車間時間」という方法が推奨されています。
車間時間の目安と車間時間を数える方法
●混雑時:約2秒 ●通常時:2秒以上 ●大型車や減速に時間がかかる車両:3秒以上
ただし、2.5秒以上になると割り込みが増えるため注意が必要です。高齢者や初心者、ABS非搭載車などはさらに広めの車間時間が望ましいとされています。
車間時間を測る方法は世界中で広く活用されています。たとえば、ポルトガルでは「ワニが1匹、ワニが2匹」と数えるユニークな方法があります。日本でも、埼玉県警が「0、1、0、2」、福島県警が「3・2・1・ヨシ」といった実践しやすい表現を提案しています。また、童謡『あめふり』の冒頭「雨あめふれふれ」を使うとちょうど2秒になるとされています。
現在の基準は時代に合っているか?
「100km/hで100mの車間距離」という目安は昭和時代に作られたものです。自動車の性能や交通量が大きく変化した現代では、この基準が必ずしも現実に即しているわけではありません。例えば、自動運転車はセンサーで適切な車間距離を自動的に維持する技術を備えており、これが新しい基準になる可能性もあります。
車間距離以外の注意点
車間距離だけでなく、以下の点にも気を配りましょう。
●速度調整
混雑時や悪天候時は速度を落とし、周囲の車両と調和を保つ運転を心がけましょう。
●早めの合図
車線変更や右左折の際には余裕を持ってウインカーを出し、周囲の車に意図を伝えましょう。
●積雪や凍結への備え
冬季は路面凍結の可能性が高まります。スタッドレスタイヤやチェーンの装着を忘れず、滑りやすい路面ではさらに慎重な運転を心がけましょう。
まとめ
車間距離や車間時間に加え、速度調整や周囲確認などの基本的な注意事項を再確認することで、年末年始の慌ただしい時期でも落ち着いた運転を保つことができます。自動車や道路環境の進化に合わせて、新しい運転のあり方を柔軟に取り入れ、安全で快適なドライブを心がけましょう。
ETCや交通にまつわる素朴な疑問や最近の情報について、ガイド見習いの「ガイドちゃん」が、情報屋の「ETCぼうや」に“ちょっと聞いてみる”コーナーです!
『全国の高速道路上で「オービス」にそっくりな機器が続々出現!深夜割引との関係は??』
全国の高速道路上に、「オービス」にそっくりな機器がどんどん設置されているのを知っている??あれは何なの??教えてETCぼうや!
ガイドちゃんよく知っているね!
高速道路や幹線道路には、通称「オービス(速度違反自動取締装置)」と呼ばれる速度違反を自動で取り締まる機器が設置されているよ。そんなオービスに似た機器が現在、全国の高速道路上に続々と設置され始めているんだ。でも、実はこの新設機器はオービスではなく、「ETC関連の機器」なんだよ。
2025年3月末頃から実施が予定されている「ETC深夜割引」のサービス変更に対応するために設置されたもので、「ETCフリーフローアンテナ」などで構成されているよ。
新たな深夜割引は、対象時間がこれまでの0時~4時だったものが、22時から5時までと3時間拡大するんだ。この深夜割引の変更に伴って、高速道路上に「ETC関連の機器」が新たに設置されるようになったようだね。新設ETC機器は料金算出がメインの用途であるようだけど、その他の機能に関しては現在も不明なままなんだよ。
今回の新設ETC機器は見た目がオービスにそっくりなことから速度違反の取り締まりを意識して走行するドライバーが増えそうだね!
なんだ~!オービスじゃなかったのね!
だからといって、これまで通り制限速度内で走ることはもちろんのこと、車間距離を長めにしたり、周囲の車の動きには注意して運転しようね!