JAHIC 日本高速情報センター

日本情報サービス協同組合

ミライ情報局24年10月号/特集「深夜割引、どうなるの? 」

特集「深夜割引、どうなるの? 

2024年度末頃に予定されているETC深夜割引制度の見直しでは、これまでの制度にあった課題を解決し、ドライバーや物流業界にとってより多くの利便性が期待されています。今回は、従来の問題点と、今回の改正によるメリットについて、5つのポイントに分けてご紹介いたします。

① 従来の割引適用時間の制限 

従来の深夜割引は、深夜0時から4時までのわずか4時間に限られており、この短い時間帯に合わせる必要があったため、ドライバーや物流業界の方々にとってスケジュール調整が難しい状況が続いていました。特に、割引の適用を待つために高速道路の入り口付近で時間をつぶすケースも多く見られ、これが渋滞や事故を引き起こす原因となることもありました。

② 見直し後の割引時間の拡大 

今回の見直しによって、深夜割引の適用時間が22時から翌朝5時までに広がります。これにより、これまでよりも早い時間から割引が使えるようになるため、より多くのドライバーにとって利用しやすくなります。さらに、夜間の交通量を分散させることで、渋滞の緩和が期待でき、夜の運転環境が改善されることも見込まれます。 

③ 割引率の維持と変動要素 

割引率は最大30%が引き続き適用されますが、今回の見直しによって、走行距離や利用時間に応じて割引率が変わる仕組みが導入されます。特に、これまで割引の対象外だった22時から0時までの利用についても、新たに割引が適用されるようになり、短距離利用のドライバーにもより多くのメリットが生まれます。 

④長距離利用者への配慮 

長距離利用者へのサポートも充実しています。特に、走行距離が400kmを超える場合には、さらに割引が適用されるため、長距離を移動するトラックドライバーや物流企業にとっては、燃料費や高速料金の節約がより一層期待されます。この措置によって、経済的な負担が軽くなり、物流業界全体の競争力向上にもつながると期待されています。

⑤激変緩和措置の導入 

今回の見直しでは、急激な負担の増加を抑えるために「激変緩和措置」が導入されます。特に、1,000kmを超えるような長距離の走行に対しては特別な割引が適用されるため、長距離移動をするドライバーにもさらなるメリットが提供されます。この措置によって、物流業界などで日常的に長距離を移動する場合にも、スムーズに割引が適用され、負担軽減が期待されます。 

まとめ

今回の深夜割引の見直しは、従来の制度で見られた課題を解消し、より多くの方が利用しやすい環境を提供することを目指しています。特に、適用時間の拡大や長距離利用者への配慮が強化されることで、夜間の交通状況が改善され、スムーズな移動が期待されます。また、物流業界にとっても大きなメリットがあり、コスト削減につながることで業界全体に良い影響を与えることが期待されています。


ETCや交通にまつわる素朴な疑問や最近の情報について、ガイド見習いの「ガイドちゃん」が、情報屋の「ETCぼうや」に“ちょっと聞いてみる”コーナーです! 

「高速道路の″エスコートライト″をご存知ですか?

ETCぼうやは、高速道路に設置されている、 

緑や青の「流れるライト」がなんなのか知ってる?教えて!! 

「エスコートライト」のことだね、知ってるよ! 

高速道路を中心に、道路の側方に連続して設置された灯具を車の進行方向へ流れるように点灯させていくシステムが「エスコートライト」だよ。目的は渋滞の緩和なんだ~。 

阪神高速では「速度回復誘導灯」として、これまで慢性的な渋滞ポイントに設置されてきたよ。 

渋滞は、下り坂からゆるやかな上り坂へ変化する「サグ」と呼ばれる部分で、ドライバーが意識しない間に速度が低下してしまうことで発生することが多いんだ・・・。 

そこで「エスコートライト」は、渋滞の発生に応じて、光を走行速度より速いスピードで流すことによって、ドライバーの視線を誘導し、速度回復を促す役割があるんだよ! 

実際に渋滞量が65.3%減少! 

首都高では、2015年、3号渋谷線上りの池尻ー三軒茶屋間に設置されたのが最初で、ここで一定の効果が認められたのをきっかけに、現在は数カ所に増しているよ。 

阪神高速3号神戸線の渋滞ポイントである上り線の深江出入口付近では、「エスコートライト」(速度回復誘導灯)の無点灯時と点灯時を比べると、渋滞量が1日平均4.7km・時から1.6km・時と、実に65.3%も削減されたよ! 

「エスコートライト」っていうんだ~!! 

ライトだけでこんなに渋滞を減らせるのってすごいね!! 

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